趣味が高じて、ドミニオン箱を作った その3

 その1 http://d.hatena.ne.jp/Kirika/20111231
 その2 http://d.hatena.ne.jp/Kirika/20120101
 その3 http://d.hatena.ne.jp/Kirika/20120102
 

製作開始
 カットされた木材が9月の頭に家に届き、いよいよ製作開始です。
 多少ぼけてますが、家に届いた木材一式。ハンズの加工は正確、かつ綺麗で、やはり業者に頼んでよかったと思いました。
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 とりあえず仮組みしてみたり。
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 自由に取り外し可能な仕切り板をはめ込むために、板に溝加工をすることになるのですが、溝加工をするための良い道具がなかったので、彫刻刀の切り出し刀、平刀、三角刀を使って、自分で溝を掘っていきます。彫刻刀を使うのは小学生以来でしたが、なんとか無事に溝を作ることが出来ました。ちなみに彫刻刀は何故か友人が小学校時代に使っていたものを持っていたので、それを活用しました。

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 木工用ボンドで固め、裏から木ねじで補強。

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 引き続き蓋を作ります。蓋も同様に仮組みをした後、裏側から木ねじではなく釘を打ちます。蓋の真ん中にあるのはトークン入れで、これも箱の中に収納できるように作っていたのですが、板の厚さを間違えて設計書を修正した際に、こちらのトークン入れを修正し忘れて、箱の中に入らなくなったので、今回は要らない子になりました……。

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 蝶番を取り付けて、箱らしくなって来ました。

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研磨
 ここから研磨工程に入ります。サンディングブロックやペーパーヤスリで箱を磨くのですが、1面約1時間ぐらいのペースで磨いています。これは部屋でやるわけにはいかなかったので、マンションの玄関あたりで磨いていたのですが、通行人には注目されるわ、磨いた後は床一面が真っ白になるわ、次の日は筋肉痛になるわで大変でした。
 6面磨き終わるのに2日分の休日を使いました。
 この部分に時間をかけた分だけ、さわり心地がよく、塗装仕上げが良いものになるため、手を抜かずにしっかりと磨きます。

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塗装
 次に箱を塗ります。
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 水性ウレタンニスで箱に塗装をするのですが、ここが今回最大の失敗で、箱にベッタリとニスを塗ってしまったため、新聞紙にニスが垂れ、箱に塗装ムラが出来てしまいました。後で塗装関係の仕事をやっている別の友人に聞いたのですが、マスキングテープを貼って塗るのが良いそうです。
 加えて、箱を閉じたまま塗ったため箱と蓋が瞬間接着剤でくっついたように完全密閉されました。
 カッターを蓋と箱の隙間にねじ込んだり、ハンマーで叩いてみたりして、30分後に何とか蓋が開きました。危うく開かない箱を作ってしまうところでした。開かない箱と格闘する写真があれば面白かったのですが、テンパっていたため、残念ながら写真はありません。
 おまけに新聞紙の模様が若干箱に移ったりもし、結局全面再度研磨して、再塗装することになりました。塗装ムラは一部どうしようもない部分がありますが、研磨することで、何とかごまかせるレベルになりました。
 組み立てが無事に終わったことで、塗装を油断していたのが今回の敗因です。今回の件で、「組み立て3年、塗り8年」という謎の格言も生まれました。
 
仕上げ
 ここで私事の事情で、1ヶ月ほど時間が開くのですが、12月某日に塗装した箱にパチン錠と取っ手を取り付け、いよいよ箱らしくなって来ました。
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 裏のネジを切り取るため、ニッパーでネジを切断。
 ネジの破片が飛ぶと危ないので、保護用のゴーグル……というかスキー用のゴーグルをつけて作業をしています。
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 取っ手側は強度の問題があるので、木ねじを使わず、ビスとナットで固定し、ビスを電工ペンチで切断しています。こちらは切断前の画像。

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 箱の内部にもニスが垂れている所がいくらかありますが、これを赤いフェルトで隠します。今回使用したのはユザワヤのウォッシャブルフェルトで、裏地がシールになっているタイプの物を使いました。材料費は約1000円。
 普通の文具用ハサミで切ってみたのですが、切り口がガタガタになるので、嫁に救援を求めて、裁縫用ハサミで裁断してもらいました。紅白歌合戦を横目にしながら、夫婦で箱の内装を仕上げ、年明け1分前ぐらいに完成しました。

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総括
 ブログにまとめると3日分ほどで書けましたが、全部の工程を合わせると組み立て、塗装、仕上げに丸一週間分ぐらいの休日を使っています。総製作期間は9月頭から12月末までの4ヶ月です。材料費・加工費は一人頭約6000円ぐらいかかっているので、あまりコストパフォーマンスが良いとは言えません。(加えて工具代は更に別にかかってます)
 しかし、DIYの楽しさ、自分専用のものを作る楽しさ、未体験のことに取り組む楽しさは、値段には換算できないものがあります。
 また、何か機会があれば取り組んでみたいと思います。ここまで読んでいただき、ありがとうございました。